【7・8月号】苔テラリウムのすすめ~ハンドメイド雑貨のお店で作り方を学びました~

小さな自然をお部屋で楽しむ方法として人気の苔テラリウム。コンパクトでお手入れ簡単、癒し効果も期待大…と近年注目されています。

今回はぷらざ7・8月号60ページ(電子版では62ページ)掲載の「苔テラリウムを作ってみよう!」の超・拡大版。岐阜市内にあるハンドメイド店「geudaelo(クデロ)」さんのワークショップ体験レポと一緒に、苔テラリウムの作り方をご紹介します。

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苔テラリウムとは?

そもそもテラリウムとは、ガラスなどの透明なケースの中で動植物を育てる方法のこと。ラテン語の「テラ(terra)=大地・陸地」と「リウム(arium)=場所」を組み合わせた造語です。

容器の中では水分が循環するため、長期間水を与えなくても植物を育てることができます。さらに、苔は多少乾燥しても水を与えれば元気を取り戻すほど生命力の高い植物。テラリウム栽培に適しており、小型で飾りやすいことから苔のテラリウムが人気となりました。

「部屋に緑を置きたいけど、つい手入れを疎かにしがち…」、「育てやすいと言われる観葉植物さえ枯らしたことがあるけど大丈夫かな?」と不安な人も安心して育てられそうなのが嬉しいところです。

苔テラリウム作りの基本材料

完成品を購入して飾るだけでも楽しいですが、自分だけの小さな自然を作ってみるのも素敵!ほとんどの材料・道具は100円ショップやホームセンターで揃えられるので、気軽に自作できます。

今回は初心者すぎて不安だったので、ハンドメイドと雑貨のお店「geudaelo(クデロ)」さんの苔テラリウム作りワークショップに参加し、詳しく教えていただきました。こういった形で始めてみるのも安心ですね♪

主な材料
・ガラス容器・苔・土・石・お好みでカラーサンドや置物など
主な道具
・霧吹き・水差し・はさみ・ピンセット・スポイト・スプーン・筆・ペーパー・ティッシュ・ごみ入れ

ただし、自然の苔や土・石は虫やカビが含まれていることもあるので、初心者は園芸店等で購入するのがおすすめ。

霧吹きや水差しは制作中に土を湿らせたり、苔に水をあげたりするときに使います。中身は水道水でもOKですが、ドラッグストア等で購入できる精製水にすると、カルキでガラスが汚れないため仕上がりがきれいに。スポイトは余分な水を取り除く時に使用します。

ワークショップの流れと作り方

いよいよ苔テラリウム制作開始。ワークショップでは材料や道具が全て用意されていました。

ペーパーでガラス容器の中を拭く

油分などを拭きとり、苔が育ちやすい環境に整えます。

石を選ぶ

テラリウムに使う石を3つまで選びます。自分で作るときはお好みで数や大きさを決めればOK。使うのはもう少し後なので、選んだらひとまず脇に避けておきます。

土を入れ、筆を使って表面をならす

後から形を整えることもできるので、思い切って土を流し込みましょう。量は自由ですが、苔を植えやすいよう2㎝程度の厚さは確保して。勾配をつけると立体感が加わり、横からの見栄えがUPします。

石とカラーサンドを配置する

選んだ石を土に埋めるように配置したら、スプーンでカラーサンドを少しずつすくい、スプーンの先が土の表面に付くようにしながらそっと流し入れます。水辺や道路などの景色を思い思いに表現してみましょう。

霧吹き・水差しで土を固める

霧吹きで表面を濡らし、水差しで土の中まで水を含ませます。水差しの先をガラス容器の側面に沿わせながら注ぐと、配置した土や砂が壊れずGOOD!

苔を植える

色の良い苔を選んだらハサミで根元を適当な長さに切り、ピンセットで苔の根元までしっかり挟みます。土に差し込むように植え付け、ピンセットの先を開いて上に引き上げましょう。挿し口が見えないよう、ガラス面ぎりぎりには植えないようにすると◎。

これはテラリウムでよく使われるタマゴケ。

根を切っても大丈夫…?と思ってしまいそうですが、苔の根に見える部分は地面に固定させる役割を持つ「仮根」。根から水分や栄養を取り込む植物と異なり、苔は体全体で水分を吸収するので根を切っても枯れずに育ちます。

苔の種類によっては、土を覆うようにのせて押さえながら植える場合も。こちらも根元を切って長さを調節します。

こんもりした雰囲気が可愛いホソバオキナゴケ。バラバラになった時は少しずつ差してもOKです。

どこにどの種類の苔を植えるとよいかアドバイスをいただきながら、夢中で植えていきました。

小物を配置する

苔を植え終わったら完成まであと一息。カラーサンドを足したり、苔の配置を整えたりしながら、好きな小物を置きます。ワークショップでは小物を1つ選んで飾りつけることができました。

湖に浮かんでいるイメージで大きめの白鳥を選択。白いカラーサンドを散らして、水飛沫や水面のきらめきを表わしてみました。

仕上げ

全体に水をかけ、丸めたペーパーをピンセットで挟みながらガラスの内側を拭きます。テラリウムには蓋をするもの、開けておくものなど様々な形がありますが、今回は蓋に透明シールを貼りつけて空気の出入り口を確保しました。

完成した苔テラリウム。作業時間は1時間程度で、思った以上に手軽に作れました。

お手入れ方法

直射日光が当たらない明るい場所か、LEDライトが当たるところに置きましょう。2週間に1回を目安に、土が乾いてきたら水やりを。水差しで容器の側面に沿わせながら、土が湿るまで与えるのがポイントです。

苔が変色したときは基本的にその部分を取り除けばOK。カビが生えた時は、その部分を取り除いた後にカビ用の殺菌剤をかけておきます。

ご協力いただいたお店「geudaelo」のご紹介

今回、苔テラリウム作りを体験させていただいたgeudaelo(クデロ)さんは、2023年9月にオープンしたハンドメイドショップ。店主の山田さんは主にテラリウムや植物雑貨を制作し、各イベントでの出店も行っています。

他作家さんの作品やハンドメイド用品も販売されており、うっとりと商品を眺めてしまいました!どれも作家さんたちの熱意と技術が伝わってくるものばかりで、プレゼントにも喜ばれそう。

苔テラリウムに限らず、様々なハンドメイドのワークショップも開催中。イベントで各種ハンドメイド体験ができる時もあるので気になる方はインスタグラムをご覧ください。

もともと花屋で働いていたという山田さん。
ドライフラワーを使ったブッダナッツアレンジも素敵でした。

いかがだったでしょうか?はじめは「苔ってちょっと地味かも…?」と思っていましたが、苔の種類によって色や形・好む環境の違いといった個性があり、水を浴びて生き生きしている姿を見ていると、だんだん愛着が湧いてきました。

作ってから約2カ月後の様子です。大きな変化はありませんが元気に成長中。白鳥には「スワンナ」と名前が付き、家族みんなに可愛がられています。

あなたもお店で気になるテラリウムを探したり自分で作ってみたりして、苔をお家に迎えてみませんか?

geudaelo(クデロ)

【住所】
岐阜市長住町8-24
【営業時間】
11:00~17:00
【定休日】
月曜・火曜
【駐車場】
近隣の有料駐車場を利用
【問合せ】
058-201-3309
【Instagram】
@geudaelo_2023

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