2024年11.12月号の「ぷらざの旅」は、忠臣蔵の時期にちなんで「兵庫県赤穂市」を初訪問。旅してみるとこのまち、あまりに美味しいものと素敵な体験の宝庫すぎて♡…というわけで、赤穂に行ったらぜひ訪れてほしいオススメ美味を改めて&拡大版でご紹介いたします。
※2024年12月の情報です
お食事処かましま
牡蠣の概念が覆る!?
“坂越の牡蠣”を食べずして赤穂は語れぬ!
「赤穂の名物は何ですか?」と聞くと、地元の皆さんが口を揃えて教えくださったのが「坂越の牡蠣」。「とにかく普通の牡蠣とは全然違う!」と聞けば、食べる前から否応なしに期待が高まります。
訪れた「お食事処かましま」さんは、地元の方にお勧めしていただいたお店。赤穂市坂越で牡蠣を生産する「かましま水産」の直営店として2012年にオープンし、オールシーズン新鮮な朝どれの牡蠣が食べられます。
最初にいただいたのが、「生牡蠣食べ比べ(1,280円)」。
お値段の安さにもまず驚きですが、プリップリの身を1個頬張ってみてさらに驚愕!口いっぱいに広がるフレッシュな甘みは、今まで思い描いてきた牡蠣のイメージを軽く超えるもの。「ええ!牡蠣ってこんなフルーティーだったの!?」と、その濃厚かつ爽やかな美味しさに、思わず身悶えしちゃいます。
坂越の牡蠣は1年で大きくなる「一年牡蠣」。聞けば坂越湾は大変稀少な清浄海域に指定される海で、そこで育つ牡蠣は海から上げてすぐ生で食べても大丈夫なほど新鮮なのだとか。また、湾は良質な植物プランクトンに恵まれており、これらを食べて育つ牡蠣はおのずと美味しく育つそうです。岐阜の鮎が食べる藻によって味わいが変わるのとも、よく似ていますよね。
そんな最高の牡蠣をとことん味わってみたいという方は、「忠臣蔵御膳(2,300円)」がオススメ。
生、焼き、フライにオイカバ丼…と、色々な食べ方で欲張りに楽しめるセットです。牡蠣はこんな風に食べ方のレパートリーが色々あるのも魅力ですよね。
生牡蠣にピリ辛ダレがよくきいた「ユッケ丼(1,500円)」も美味。ガツンと辛めのタレなのでごはんもどんどん進みます。
ちなみに店主の鎌島典子さんは、なんと牡蠣早剥き選手権元日本代表の実力者。
カッコイイです!
牡蠣のスペシャリストのお店で楽しむ、絶品牡蠣。こちらのお店では年中食べられますが、旬はひときわ美味しいそうなので、ぜひ訪れてみてください。
お食事処かましま
【住所】
兵庫県赤穂市加里屋89-5
【営業時間】
11:00~16:00(15:30LO)※木金土曜は夜の部19:00~有
【定休日】火曜
【駐車場】有
【TEL】0791-56-5050
【HP】https://kamasima.com/
天馬らぁめん 赤穂総本店
赤穂といえば“赤穂の塩”
塩にこだわる塩らぁめんがウマい!
全国的にも有名な赤穂の塩。【『日本第一』の塩を産したまち 播州赤穂】として、日本遺産にも認定されており、塩はまさに赤穂を代表する食文化の一つといえます。そんな塩にこだわったラーメンをいただけるのが「天馬らぁめん 赤穂総本店」のこの一杯、「播州赤穂塩らぁめん(875円)」。
まずはスープを一口、次いで麺をすすってみると、そのまろやかな塩味に思わずため息。優しい味わいのスープと麺、具材の一体感に箸が止まらなくなります。そのおいしさの秘密は、焼き塩を使うこと。塩を高温で焼くことでニガリ成分を取り除き、塩のカドが取れた、素材の味を引き出すスープに仕上げているんです。
生の鶏ガラと魚介からとったWスープはスッキリあっさりしつつも奥深い味わい。後味に爽やかなゆずの風味が香るのも、心ニクイです♡
また天馬らぁめんさんは、サイドメニューも充実。関西では「ラーメン+ごはんもの」をセットで楽しむのがデフォルトだそうで、チャーハンをはじめとしたごはんメニューも豊富なラインナップ。関西ならではのメニューも取り揃えているので、こちらも食べ逃せません。
「ミニすじ丼(430円)」
「播州名物ひねぽん(420円)」
パリパリの羽根がついた「特製ぎょうざ(385円)」も、ぜひ一緒にご注文を。
餃子はこちらの特製味噌ダレをつけて食べるのも◎。「餃子+味噌」、一見変わった組み合わせですが、クセになるおいしさですよ。
地元内外のお客さんで賑わう天馬らぁめんさんは、活気があって入りやすい雰囲気も魅力で、通し営業しているのも嬉しいポイント。ドライブ途中に立ち寄ってみてください。
天馬らぁめん 赤穂総本店
【住所】
兵庫県赤穂市尾崎3158-69
【営業時間】
11:00~24:00(23:30LO)
【定休日】年中無休 ※1/1は休み、他臨時休有
【駐車場】有
【TEL】0791-42-9447
【HP】 https://ten-ma.com/
壱枚乃絵 赤穂店~海辺のテラスカフェ~ICHIMAINOE~
旅先で、素敵なカフェに出会うしあわせ♡
海とつながる絶景も堪能して
美しい瀬戸内海を臨む海辺に建つ「壱枚乃絵 赤穂店~海辺のテラスカフェ~ICHIMAINOE~」。こちらは赤穂を旅している最中に「赤穂に来たなら絶対行くべき」と、地元の方に猛プッシュしていただいたカフェ。訪れた瞬間、目の前に広がる絶景にその理由が分かりました。
「海辺のテラスカフェ」を冠する通り、お店の前に広がるのは一面の海。特にテラス席は目線の高さが海と同じになるように設計されており、席につくとまるでこの場所が海とつながっているような、そして雄大な海の上に身を置くような解放感に包まれます。
元々お隣たつの市にある「壱枚乃絵」さん。緑に囲まれたたつののお店に対し、次は海辺で、しかも店主さんの地元でもある赤穂で、という想いから2年前にオープンしたカフェなのだそうです。お店の自慢は、たつの市のお店で自家焙煎した豆を1杯ずつ丁寧に淹れたコーヒー。すっと染みわたるような味わいに、ほっと癒されます。
お店の看板メニューとなっているのがパンケーキ。
メレンゲを立ててじっくりと焼き上げる背の高い無添加のパンケーキは、材料にもこだわる逸品です。頬張ってみると生地はふわっふわのもっちり食感で、甘酸っぱいベリーとの相性も抜群。思わず笑みがこぼれます。
パンケーキ以外にも、季節と地の食材を使ったランチメニューも人気。朝は岐阜人的にも嬉しいモーニングがあるそうなので、今度お邪魔するときは、ぜひ朝カフェもしてみたいなあと目論んでいます♪ 兵庫名物のアーモンドトーストも、ここで食べてみたい!
近所の方のくつろぎ空間としても親しまれている「壱枚乃絵」さん。穏やかな瀬戸内海を眺めながらのコーヒーブレイクは、日常の中にある至福の非日常。お洒落な雰囲気とスローな空気感が同居する心地よさ、ぜひ堪能してみてください。
壱枚乃絵 赤穂店~海辺のテラスカフェ~ICHIMAINOE~
【住所】
兵庫県赤穂市尾崎字丸山2300-3
【営業時間】
9:00~17:00(パンケーキは16:15LO)
【定休日】水曜
【駐車場】丸山サンビーチの有料駐車場利用
【TEL】0791-56-6028
【HP】 http://www.fiac.co.jp/seaichimai/
SAKURAGUMI(さくらぐみ)
瀬戸内海が地中海に見えちゃう!?
ナポリな空間で味わう”真のナポリピッツァ“
赤穂に来たらぜひ、全国に名を馳せる超人気店にも訪れておきたいところ。「SAKURAGUMI」は、海辺に臨むナポリピッツァとナポリ料理が楽しめるレストランです。
こちらのお店、アジア初の「真のナポリピッツァ協会」認定店にして、オーナーの西川明男シェフは日本のナポリピッツァ界を牽引するすごいお方!赤穂市の出身でもあるシェフは、「赤穂御崎とナポリのまちがそっくり」と、赤穂市街地にあったお店を2010年、この海を臨む高台現在の場所に移転オープンさせたのです。
初めてナポリに行ったときから、その景色と空気感に親近感を覚えたという西川シェフ。「温暖な地中海性気候も、遠浅の海も、ナポリと瀬戸内海はとてもよく似ています。だからこの赤穂御崎では、ナポリの美味をそのまま再現できるんです」――そんなお話をお聞きしていただいたのがこちら。
「御崎のタコのマリナーラ(2,400円)」
生地の上には、目の前の海で獲れたばかりというタコがこぼれるほどたっぷり。アツアツの焼きたてをいただけば、タコとオリーブ、爽やかなオレガノの風味が口いっぱいに広がって、脳内もナポリ色に満たされます。
また、ナポリピッツァの魅力といえば、やはり生地のおいしさ。
薪窯で巧みに生地を操る職人さんの手さばきも惚れ惚れするばかりですが、焼き上げたピッツァ生地は、軽い食感でありながら噛みしめるとモチモチ。鼻に抜ける香ばしい小麦の風味もたまりません。
ピッツァはお洒落な専用箱でテイクアウトも可。
おうちでリベイクして食べたマルゲリータも絶品でした◎。
この赤穂御崎にて「日本ナポリ化構想」を推進している西川シェフ。赤穂御崎の大人気スポット「きらきら坂」もシェフのアイディアなんです。
伊和都比売神社に通じるこのタイル張りの階段は、赤穂屈指のフォトスポットに。通りの上ら眺めるキラキラ輝く瀬戸内海、まるで地中海のように見えますよね。
さらに2024年3月、SAKURAGUMIの2階にオーベルジュ「HOTEL CASA VICO」もオープン。
全室オーシャンビューの室内は、しつらえもヨーロッパのお洒落ホテルに来たような、キュートで上質な雰囲気。宿泊するとシェフの作る朝ごはんも食べられるので、いつか絶対に泊まってみたいです。
屋上から見る瀬戸内海、もはや地中海にしか見えませんでした!
料理だけにとどまらない西川シェフの赤穂御崎ナポリ化計画、今後も目が離せません。
SAKURAGUMI
【住所】
兵兵庫県赤穂市御崎2-1
【営業時間】
11:30~15:30(13:30LO)、17:00~21:00(19:30LO)
【定休日】火曜、第1・3水曜、第3月曜
【駐車場】御崎観光駐車場利用
【TEL】0791-42-3545
【HP】 https://www.vera-pizza-sakuragumi.co.jp/
雲火焼展示館 桃井ミュージアム
幻の焼き物「雲火焼」で味わう極上時間
ワクワクのTUKTUK体験もオススメ
最後にご紹介するのは海の見える高台にあるミュージアム&カフェ「雲火焼展示館 桃井ミュージアム」。雲火焼(うんかやき)とは、江戸時代後期~明治時代初期にかけて大嶋黄谷(こうこく)が生み出した焼き物ですが、陶法が伝わらないまま幻の焼き物に…。その復元に漕ぎつけたのが作家の桃井香子さんと長棟州彦さんで、このミュージアムでは茶器から日常の小物類まで、様々な雲火焼を展示販売しています。
初めて目にした雲火焼は、これまで見たこともないような美しさ。象牙色の陶肌茜色と黒色が織りなすその色彩は夕焼け空のようで、見るほどに吸い込まれる不思議な引力があります。
こちらのカフェでは、この雲火焼の器を使ったドリンクやランチ、スイーツ等がいただけるのも嬉しいところ。
「特製ソフトクリーム(600円)」は、お好みで赤穂の塩をかけていただきます。やさしいソフトクリームの甘さが引き立つ上、味がキリっと引き締まってこれは美味!オススメです。
雲火焼のお茶碗で点てたお抹茶は、緋色の器に緑が映えてなんとも鮮やか。一緒に添えられた雲火焼イメージの和菓子も小粋です。雲火焼の器でお茶を点てると、きめ細やかにおいしく点つそうなので(もちろん、点てる方の腕も素晴らしいと思いました)、お気に入りのお茶碗を旅のお土産にするのも素敵ですよ。
ガーデンは支配人・長棟さんの遊び心が散りばめられたフォトジェニック空間。
海に向かって漕ぎ出す天使のブランコ等、カップルにオススメのフォトスポットも色々あります。お庭には10数種類ものユニークな水琴窟があるので、ぜひ全ての音に耳を傾けてみてくださいね。
この秋には、新スポット「御崎のつり橋」も誕生し、こちらはラブ&絶景スポットになっています♡
桃井ミュージアムでは、カラフル&キュートなTUKTUK(トゥクトゥク)のセルフツアーも評判(3時間8,800円、90分5,500円 ※要予約)。
普通免許で運転可能&3人まで乗車OKなので、のんびり運転しながら海までドライブするのもオススメです。また、ミュージアムときらきら坂間では不定期でTUKTUKの無料送迎も有。運転はちょっと自信ないかも…という方は、ぜひこちらを利用してみてください。
雲火焼復活の偉業に加えて、ワクワクする企画や展示が次々に増える桃井ミュージアム。お楽しみが満載なので、ゆっくり時間をとって訪れるのがマスト。進化を続けるお庭を見る目的で、定期的に訪れるのも楽しそうです。
雲火焼展示館 桃井ミュージアム
【住所】
兵庫県赤穂市御崎634
【営業時間】
9:00~16:00
【定休日】火曜
【駐車場】有
【TEL】0791-56-9933
【HP】 https://momoi-museum.com/