【Web限定記事】白川町「農LAND BEER」へ―クラフトビールの新たなカタチと可能性―

今アツい!クラフトビールの市場

「なんだか近頃、巷でクラフトビールが流行ってるなぁ」最近、そんな風に感じていませんか?それもそのはず、ここ数年で気軽にクラフトビールを飲めるお店が増えたことに加えて、最近はビールを造るブリュワリー(醸造所)も続々とオープン!クラフトビールは現在、非常に盛り上がっている市場なんです。

2023年夏、岐阜県白川町ののどかな里山にも新たなブリュワリーが誕生。農LAND BEER(NOHLAND BEER)さんは、今熱い注目を集めるクラフトビールの醸造所です。

農LAND BEER(NOHLAND BEER)
農LAND BEER(NOHLAND BEER)

オーナーの児嶋健さんはもともと畑違いの経歴の持ち主で、以前は愛知県で車の技術職をしていたそう。その一方で自然をこよなく愛し、シャワークライミング等のインストラクターもこなすアウトドア派。今から11年前にこの自然豊かな白川町に移り住みました。

移住のきっかけになったのが「有機農業」への想い。この先、白川町のような美しい里山の風景がなくなることを憂いつつ、有機農業を通して田舎を元気にしたいと思う気持ちが、決意を後押ししたそうです。そんな児嶋さんが目指す農業の形は「自給的農業」といって、自分や家族が食べることを主な目的としたスタイル。今後の日本には、食物の自給率を本質的に上げていくことが重要という観点から、お米や大豆、原木椎茸など、実に30品目の栽培を行いつつ、味噌や醤油等も自分で仕込んでいます。

その情熱を、ネーミングのロゴでも表現。

農LAND BEER(NOHLAND BEER)

「N」を反転させた頭文字には「農業をひっくり返す!」という決意が込められています。

こうした有機農業と並行して、児嶋さんが地域の方たちと一緒に取り組んでいるのがツーリズム事業。農ランドのある地域は、最寄りのJR高山本線の白川口駅から15kmほどの里山。だからこそ近くの施設同士連携しながらこのエリア自体を楽しめる、滞在型の観光体系を目指しています。でもいったいどうして、そこからクラフトビール造りをすることに?

「以前、BBQとクラフトビールを楽しむイベントを開催したのですが、これがすごく盛り上がって。ビールを絡めたツーリズムができたら面白いんじゃないかと考えるようになりました」

と語る児嶋さん、ここからの行動力がすごい!すぐさま瑞浪市のカマドブリュワリーさんで、ビール造りの勉強を始めたのです。「カマドブリュワリー」といえば、全国にファンを持つ、岐阜・クラフトビール業界の先駆け的な存在。実はこちらで修行して醸造所をオープンする人も多いそうです。

こうして完成したのが農LAND BEERの代表作SHIRAKAWA

農LAND BEER(NOHLAND BEER)の「SHIRAKAWA」

麦芽やホップの豊かな香りが楽しめるペールエール。そのポリシーは、児嶋さんが長年取り組んでいる有機農業にも通じるもの。仕込みに使う水は極めて源流に近い清流を使用することに加え、何よりこだわるのは。地域で連携しながら有機堆肥を循環して土づくりをすることが、おいしいビール造りに、ひいては里山を守ることに繋がるという考えが根底にあるのです。

「白川町だからこそ」のクラフトビール

そんな「農LAND BEER」のビールは、近年主流である都市型の醸造所とタイプの違う、土地の味や恵みを最も大切にした地ビール。例えば香りづけにヒノキのチップを使ったり、山の中で育てた原木椎茸の出汁をフレーバーにしたりと、その土地にしか生みだせない、地産の味を楽しむことができます。

農LANDならではのオリジナルフレーバー・原木椎茸出汁エールは、ほのかに鼻に抜ける出汁の香りが特徴。

農LAND BEER(NOHLAND BEER)の「原木椎茸出汁エール」
原木椎茸出汁エール

さらに女性心をくすぐる、お茶を使ったフレーバーにも注目です。実はこちらは、スタッフの吉田未紗希さんが取り組んでいるもの。吉田さんは大学時代に卒業論文のインタビューで児嶋さんに出会ったことで、農業に携わる仕事がしてみたいとこちらに就職したそうです。そんなご縁も素敵ですね。

農LAND BEER(NOHLAND BEER)

ビールに使うお茶は、もちろん白川町名産の白川茶。緑茶だけでなくほうじ茶や和紅茶等のフレーバーも人気を呼んでいます。

農LAND BEER(NOHLAND BEER)のほうじ茶アンバー、和紅茶エール
ほうじ茶アンバーと和紅茶エールは、緑茶と合わせて「お茶3姉妹ビール」として売り出し中。アーティスティックなデザインもお洒落です。

ほうじ茶アンバーは、焙煎したほうじ茶をふんだんに使用。深みのある香ばしさと甘みが、驚くほどマッチした、イベント時にも大人気だったビールです。一方和紅茶エールも、試行錯誤の末に辿り着いたビール。香りの優しい和紅茶の風味を活かすべく、エニグマホップを使って芳香を引き立てつつ、茶葉の風味がふわっと鼻に抜ける爽やかな飲み口に仕上げています。

現在こうした農LANDさんのビールは、ウェブサイトや白川町のふるさと納税の他、白川町内の道の駅等で購入可能。そして、さらなる朗報!岐阜市のクラフトビールとハンバーガーのお店・BEER & CRAFTさんにて1月21日(日)、農LANDさんのビールが思う存分楽しめるイベントBEER ON TAPの開催が決定しました。クラフトビール好きさんならぜひぜひ足を運びたいイベントですよ。

左から、スタッフの吉田さん、児嶋さん、BEER & CRAFTの柴田さん。
左から、スタッフの吉田さん、児嶋さん、BEER & CRAFTの柴田さん。

最後に児嶋さんに、今後の展望を伺ってみると、またまた夢膨らむ構想が。

「ゲストハウスやサウナを営む仲間と協力して、地域としての魅力をもっと底上げしていきたいと思っています。さらにここを“泊まれるブリュワリー”にして、泊まって飲める場所にしていきたいですね」

満点の星空の下、ジビエや地鶏、地元の牛や豚でBBQしながら里山のビールを楽しむ夜。そんなビール好き、アウトドア好きのパラダイスができあがる日は、そう遠い未来ではなさそう…!ゆくゆくはビールを仕込むための大麦の栽培も考えているとのことで、こちらも期待が高まります。

ますますアツくなりそうな農LAND BEERさんと白川町のこれからに、今後も目が離せません。

農LAND BEER

【住所】
岐阜県加茂郡白川町黒川2412
【SNS】
(Instagram) @nohland_beer 
【HP】
https://nohlandbeer.com/



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