【関ケ原古戦場記念】 江戸時代の星を観る!?ユニークな企画展がスタート

いよいよ子どもたちの夏休みがスタートしましたね!

家族でお出かけをしたり、宿題や課題に取り組んだり…それぞれの過ごし方があると思いますが、岐阜の誇る歴史スポット・関ケ原では“お出かけ×夏の学習”にぴったりの展覧会が始まっています。

それが、岐阜関ケ原古戦場記念館の「星見の歴史 ~戦国・江戸のスターゲイザー~」

天下分け目の決戦とは視点を変えた、興味深い夏季企画展に一足先に行ってきたので、その一部をご紹介します。

企画展の見どころ

■国友一貫斎作望遠鏡

(長浜城歴史博物館蔵)

展示室の入り口でさっそくご対面したのが、日本で初めて国産の反射望遠鏡を作った『国友一貫斎』の作です。

国友一貫斎とは、鉄砲の産地・国友村(現在の滋賀県長浜市国友町)の鉄砲鍛冶師。
大河ドラマ「麒麟がくる」にも登場するなど、“鉄砲鍛冶の集落”として広く知られた国友で生まれた彼は、銃の研究や鉄砲の製造に勤しみ、やがてその技術を活かして望遠鏡を製作したのです。

展示されているこの望遠鏡のスゴイところは、高度な技術が盛りだくさんな点。
イギリスで発明されたグレゴリー式望遠鏡を模して造られただけでなく、望遠鏡内部に使われる凹面鏡の研磨技術が優れていること、当時も月や木星の観測が行われ、約200年経った現代でも使えるほど性能が抜群なこと…など驚きの技がいっぱいです。
また、覗き込むレンズの周りに漆を塗ることで汚れや垢の付着を保護したり、「月」や「日輪」の形の装飾を施していたり…と日本人ならではの知恵や心遣いにも着目したいところ。
実際に覗くことはできないものの、“ものづくりの天才”が生み出した価値ある望遠鏡をじっくり眺めることが可能です。

■星曼荼羅図

(江戸時代後期 真田宝物館蔵)

平安時代中期に考案され、仏様の世界を表現した曼荼羅図を目にしたことがある人は少なくないはず。
その世界観を“星”で表したのが「星曼荼羅図」。
小さい白い円がたくさん配置され、その中に人や動物の姿が描き込まれているのが、星の神たちの姿です。

天の中心である北極星が中央に描かれ、その周囲に十二星座、さらに二十八宿など合わせて58の星が表現されているのですが…。
北斗七星のはずなのに、8つ目の星に相当する姿が添えられていたり、さそり座である位置にはエビと思しき絵があったりと、ちょっぴり微笑ましい!

■天体中星儀

(江戸時代後期 足立信順 作 真田宝物館 蔵)

現代でも小学生が理科の学習で使う「星座早見盤」。
その江戸時代版とも言える星座早見板が展示されているんですが、中でもぜひ探してほしいのが…
「厠(かわや)」「屎(くそ)」の文字。
なんと、当時は「トイレ座」「ウンコ座」があったそう。(←学芸員さんから教えていただいた、真面目なお話です!笑)

現代とは色々と違うのは当たり前ですが、当時とは星座までも違うんだぁ~とつくづく考えてしまいます。

昔の人々も天文に親しんでいた!

この施設のメイン展示である「関ケ原の戦い」において欠かせないのが、合戦で東軍を勝利に導き、戦乱の時代から太平の世に変わるきっかけを作った将軍・徳川家康。
実は、天文においても素晴らしい功績を残しているんです。

たとえば、今回の展示の1つ「明月記(慶長御写本)」は、家康公の命で書き写されたもの。
そもそも「明月記」とは、鎌倉時代の公家・藤原定家が記した日記。これには天文現象に関する記載もあり、オーロラや彗星、超新星爆発の記録などが記されていました。
その価値を見出し、貴重な書物が失われることに危機感を抱いて書写を命じたのが家康公。天文の記録が残されたこの写本が作られなければ、日記の内容は後世に伝わらなかったかも…?と思うと、家康の感度の高さには感服です!!

(真田宝物館 蔵)
(上田市立博物館 蔵)

江戸時代に入ると、天文台の整備や観測技術も向上。

天体観測や暦を読む暦学に用いられた「渾天儀」、羅針盤としての機能をもつ「測量用台付磁石」、一般庶民に向けて記された解説書「天文図解」など、多くの人の間で星や月を愛でる風習・文化が広まってきたことが伝わる資料がたくさん残されています。

関連企画も目白押し

8月31日(日)には、国友一貫斎と天文学との関わりをテーマとした講演会を開催。
さらに、施設の開館5周年を記念した展示も行われます。

◆講演会「国友一貫斎藤と天文学 反射望遠鏡を覗いて」
【講師】岡本千秋氏(長浜城歴史博物館 学芸員)
【日時】8月31日(日)13:30~15:00
【会場】岐阜関ケ原古戦場記念館 3階 セミナールーム
【定員】100名(事前申込み・先着順)
【参加費】無料 ※申込方法はHPでお知らせ予定

関ケ原古戦場記念館 開館5周年記念
 「世界三大古戦場展~ワーテルロー・ゲティスバーグと関ケ原のつながり~」
【期間】10月7日(火)~11月24日(月・祝)※休館日除く

戦国から江戸への“天文の旅”へ

本企画展で展示されている歴史的資料は全36点。
戦国・江戸時代の人たちがどんなふうに空を見て、星や天文現象をどう解釈していたのか――。
昔の日本の天文知識や観測技術に触れ、星空に思いを馳せてみるのはいかがでしょう。
もちろん、「関ケ原の戦い」を楽しく学べるグラウンド・ビジョンやシアターなど常設展示も超必見です。

岐阜関ケ原古戦場記念館のすぐ近くには、先日のテレビ番組で櫻井翔さんと村上信五さんが訪れている姿が放送された「関ケ原ウォーランド」もあり、こちらでは【2025ウォーランド風鈴祭り】も開催中!!
昼の部はもちろん、ライトアップが幻想的な夜の部も推せる、イチオシのお立ち寄りスポットです。

この夏、ぜひ家族でお出かけくださいね。

夏季企画展「星見の歴史 ~戦国・江戸のスターゲイザー~」
所/岐阜関ケ原古戦場記念館 2階 展示室(不破郡関ケ原町関ケ原894-55)
期/7月15日(火)~9月7日(日)
時/9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休/月曜 (祝日の場合は翌平日) ※8月12日(火)は開館
¥/大人500円、大学・高校生300円、中学生以下無
TEL/0584-47-6070


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