小説を片手にローカル線の旅へ!樽見鉄道の「小説列車」スタート(大垣市・本巣市)

もうすぐ8月に入り、いよいよ夏真っ盛りですね!
この夏休みの思い出作りにぴったりな企画が、淡墨桜で有名な本巣市・樽見と大垣を結ぶローカル線「樽見鉄道」にて8月1日から始まります。

その名も「小説列車~樽見鉄道ものがたり~」。乗車券と樽見鉄道オリジナルの小説を手に、列車に揺られながら主人公がたどった物語を実際になぞる、新しい形の旅です。今回はその企画の一部をご紹介します!

※2025年7月取材時の情報です

オリジナル小説『桜の約束』が登場

大垣市出身で『100回泣くこと』等で人気を博す小説家・中村航さんが、「小説列車」のために小説を執筆。オリジナルデザインの1日フリー乗車券ペアチケット(3,500円)をオンラインで購入すると、小説『桜の約束』と樽見鉄道のポストカード、中村航さんからのメッセージカードが届きます。

本企画の仕掛け人の方々。右から樽見鉄道株式会社の今村安孝さん、小説家の中村航さん、写真家の小林淳さん。

あとは小説を読みつつ、期間内に樽見鉄道を利用するだけ。旅のルートや降車駅は自由なので、物語と自分を重ねながら列車に乗り、気になる駅で降りて…と、気ままな鉄道旅がおすすめです。

小説『桜の約束』のあらすじは、以下の通り(公式サイトより引用)。


深沢悠作は名古屋で活動するフリーランスのデザイナー。その日もデザイン案のボツを食らい、肩を落とす悠作のもとに恋人・真木彩香から「今から旅行に行こう」と連絡が入る。言われるがまま悠作が連れてこられたのは彩香の故郷・岐阜県大垣市だった。
ここからレールバス“樽見鉄道”に乗り大垣市から本巣市根尾までを旅するというが、彩香は急な仕事でひとり名古屋へ帰ってしまう。残された悠作はひとり、仕方なく樽見鉄道に乗り込むが――

ネタバレになるため詳しいことは伏せますが、小説は文庫本サイズで全128ページと満足感あるボリューム。仕事や結婚など30代男女のリアルな悩みと葛藤、樽見鉄道沿線地域の情景が、悠作の視点から丁寧に描かれています。

「分かる、分かる!」と頷きたくなる魅力から、意外な見どころまで登場していて、読むだけで一緒に乗っている気分に。ちなみに、序盤に登場する樽見鉄道の車両デザインについての会話は、中村さんのご友人のエピソードを元にしているそうですよ。

また、基本的には実際の運行ダイヤを元に物語が進んでいるとのことなので、頑張れば悠作の旅を完全再現できる…かもしれません。

物語の臨場感を高める美麗な写真

小説の表紙と挿絵を飾るのは、ぷらざにも度々ご登場いただいている写真家の小林 淳さん。雄大な自然から情感たっぷりな車内の様子まで、吸い込まれるような作品たちが物語のリアル感をぐっと上げてくれます。

「この小説がどんどん世の中に広まって欲しいですね」と語る小林さん。

挿絵はモノクロで表現されているとのことですが、実際に足を運んでみれば、景色がより印象的に映るのではないでしょうか?写真の場所を探しながら巡るのも面白そうですね!

チケットの利用期間は1年以上と長く、季節も時間帯も気にせず楽しめるのが嬉しいところ。夏休みの思い出によし、作中と同じ初秋に行くのもよし、あえて薄墨桜が咲く時期に樽見鉄道で出かけるのも素敵…♡と、想像が膨らみます。

鉄道好き・写真好きの方はもちろん、本好きの方もぜひ、物語と一緒にのどかなローカル鉄道の旅を堪能しませんか?

小説列車~樽見鉄道ものがたり~

【期間】
2025年8月1日(金)~2027年2月28日(日)※チケットの販売はノベルティが無くなり次第終了
【料金】
3,500円(税込・送料込)
【問合せ】
0581-34-8039(平日9:00~17:00/樽見鉄道株式会社)
【HP】
https://tarumi-railway.com/
【購入はこちら】※Webサイトのみでの販売
https://tarumi-railway.com/novel/
(主催:樽見鉄道株式会社/作:中村航/写真:小林淳/協力:SOU株式会社・株式会社オフィスK)

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