8.29 長良河畔を彩る市民の花火

市民による市民のための花火  
あげる会「長良川鵜飼屋花火大会」

8月29日(土)、「あげる会」主催の「長良川鵜飼屋花火大会」が開催されました。
東京オリンピックの開催にあたり、これまで毎年行われてきた長良川の花火大会の中止が発表されたのは、昨年10月のこと。それを受けて「74年間続いている花火大会を終わらせてはならない」と市民グループ「あげる会」が結成され、ボランティアや寄付を募りながらの花火大会を企画したのです。

長良川の花火大会は他県の方たちにもつい自慢したくなる岐阜市の名物。
うだるような暑さと人々の熱気の中、浮き立つ心で浴衣を着つけて川原に出かける――。
川風を肌に感じながら堤防をカラコロ歩き、花火を見上げるひとときは、知らずのうちに何にも代え難い夏の過ごし方となっていたんだなぁ。今更ながら、そんなことに気づかされます。

新型コロナウイルスの影響を考慮し、SNS等で開催日を公開せずに行われた本大会ですが、長良川プロムナードへ行ってみると花火を待ちわびる人々の姿も。
このざわつきどよめき、そして今か今かと胸が高鳴る時間も、またいいんですよねぇ。

夜も更けつつある20時半、ついに花火が打ちあがりました。
実は、あえてこの遅めの時間に上がったことにも大きな意味が。
この花火大会、鵜飼の総がらみのタイミングに合わせての始まりだったのです。

一直線に連なり、川面を照らす鵜飼のかがり火、その奥で打ちあがる艶やかな花火。そして右手には静かに鎮座する金華山。
これこそが、この「あげる会」の花火大会ならではの唯一無二のシチュエーション。
ドーン、ドーンとお腹に響く、山への反響音も心地よく、そんな時間をこの場にいる人々と共有できていることも尊くて幸せで…。

クライマックスの花火が終わると同時に自然と沸き起こった拍手に、なんだか涙が出そうになりました。

かけがえのない岐阜の財産が、新たな形で継承されていくこと。
それをみんなで創り上げ、分かち合うこと。
言葉に出さずともそこに纏う空気を通して気持ちが共鳴し合うこの一体感は忘れられそうにありません。

どうか来年も再来年も、このあたたかな時間が岐阜に、日本に訪れますように。
「あげる会」の皆様、幸せが満ち満ちる15分間をありがとうございました。

▼インスタグラムでは動画も公開しています。(3枚目)

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