「美濃あゆにんめん」は美濃市の特産品・鮎とうどんを使ったご当地グルメです。そのルーツは、昭和30年代ごろまで紙すきの職人さんの間で食されていた郷土料理。その歴史と魅力を探るため、提供店のひとつである道の駅「美濃にわか茶屋」にお伺いしました。
※2026年5月取材時の情報です
美濃市の郷土料理「にんめん」
「にんめん」と呼ばれる郷土料理が誕生したのは美濃市牧谷地区。市の北西部に位置する板取川の清流に恵まれた山間の地では、多くの家が紙産業に従事していました。紙すきの仕事をしながら交代で食事を取っていたため、煮直しても崩れにくい固めのうどんが重宝されたといいます。

「にんめん」という言葉の由来には諸説あり、「煮た麺が元になった」「にゅうめんから変化した」「人が手打ちで打って作っていたことから人麺(にんめん)と呼ばれるようになった」等があるとのこと。
うどんだしによく使われる煮干しは、海から遠いこの地域の人にとっては高級食材。代わりに鮎などの川魚を囲炉裏で燻製にして、だしやうどんの具に使っていました。
それから何十年と経ち、食による地域活性化を目指そうと考えていた美濃商工会議所は郷土料理の「にんめん」に注目。2013年には「美濃グルメ開発実行委員会」を結成し、参加を希望する飲食店を募りました。
料理の定義は「うどん類の麺と鮎を使うこと」とし、自由度を高く設定。日本料理の名手・鈴木直登さん(現・「東京會館」日本料理顧問。当時は和食総料理長)を講師に招き、鮎だしの取り方等を伝授いただきながら、各店舗とともに新しいご当地グルメとしての「美濃あゆにんめん」開発に取り組みました。
その参加店のひとつが「美濃にわか茶屋」レストラン。運営元は市内の和食店も手掛ける道の駅のお食事処です。鮎を香りよく、美しく調理するのは難しい上にオペレーションとの兼ね合いもあり、新メニューの開発・定着には苦労が多かったとか。

「道の駅は公共的な役割を担い、多くの方が立ち寄る場所。地元を盛り上げるためにもぜひ参加したいと思っていたので、当時は無我夢中でした。今でも講師の鈴木さんとは交流を続けていて、アドバイスをいただくこともあります」と、マネージャーの野村さんが当時を振り返りつつ語ってくださいました。

2014年6月には認定店での販売がスタート。10年以上経った現在は、市内2店舗で提供が続けられています。
道の駅「美濃にわか茶屋」で実食!
いよいよ道の駅「美濃にわか茶屋」のレストランで美濃あゆにんめんをいただきます。満席になることも多いという店内は幅広い年代の人々で賑わっていました。外のテラス席からは長良川と山々を一望でき、清々しい気持ちで過ごせます。


運ばれてきたのはこちらのあゆにんめんセット。鮎だしの温かいうどんに、一夜干しにした鮎の開き、ほぐした鮎の甘露煮、鮎飯がついた鮎尽くしの豪華定食です。

鮎と薬味が別皿にまとまっているため、カリッとした焼きたて鮎の食感を楽しみたい時はうどんとは別に頬張り、つゆとのマリアージュを味わいたくなったらうどんにのせて…と、好みにあわせてアレンジできます。

野村さんおすすめの〆の食べ方は、鮎飯につゆをかけた「だし茶漬け」。セットにはお茶漬け用の薬味もしっかり用意されています。鮎ならではの香りと味わいはご飯にも合い、最後までさらさらといただけました。
「僕は美濃市出身なのですが、実は企画に参加するまであゆにんめんのことを知りませんでした」と、野村さん。
「元々の郷土料理であるにんめんを食べたことがある方を探した際、やっとお話を聞くことができたのは80歳超えのおじいちゃん。それより下の世代にはほとんど知られていなかったんです。そのときに郷土の味を伝えていくことは大切なことだと改めて実感しました。これからも提供を続けていきたいですね」と熱意たっぷりにお話いただきました。
鮎の時期限定のメニューのため、お立ち寄りの際はお見逃しなく!道の駅美濃にわか茶屋は野菜や特産品の売り場も充実していて見どころ満載。ぜひ立ち寄って、食べて、地域の食文化に触れてみてください。
道の駅 美濃にわか茶屋 レストラン
【住所】
美濃市曽代2007
【営業時間】
8:30~16:00LO(土日祝は~16:30LO、鮎にんめんの提供は11:30~)
【定休日】
1月1日
【駐車場】
33台
【TEL】
0575-33-5022
【HP】
https://www.mino-niwakachaya.com/
※他、辰巳家(美濃市東市場2995-2/TEL.0575-33-0822※要予約)にて提供あり
