【11・12月号】寒天と豚肉の入った、恵那市のご当地グルメ「えなハヤシ」

出かけた先でその土地ならではの食事を味わうのも楽しいもの。恵那峡や日本大正村といった観光地を擁する恵那市には、「えなハヤシ」と呼ばれる名物グルメがあるのをご存じでしょうか?
月刊ぷらざ11・12月号の40ページでもご紹介していますが、この記事では拡大版として、たっぷりその魅力に迫っていきます。ぷらざの記事は↓からご覧ください!

えなハヤシがいただけるということで向かったのが、お食事処「金よし」さん。そこで店主の安藤さんと、恵那市観光協会の斯波(しば)さんにお話を伺いました。

お店の外には「えなハヤシ」と書かれたのぼりと看板が。トレードマークとなっているイラストは、当時の地元高校生がデザインしたもの。

えなハヤシのルーツは丸善の創始者にあり!?

そもそもえなハヤシはどんな料理なのでしょうか?
『恵那市を盛り上げたい!』という思いから考案されたこのご当地グルメ誕生のきっかけは、平成21年の「みのじのみのり祭」20周年記念事業。この頃に、ハヤシライスを使った町おこしが始まりました。さらに平成23年、恵那の町が元気になるようにという思いを込めて「えなハヤシ」と命名。地元の食材を使うルールを作り、通常のハヤシライスと区別することになったのです。

ところで、なぜハヤシライスなのか。それは「ハヤシライス」の生みの親が、現在の恵那市を中心に存在した岩村藩の医師・早矢仕有的(はやしゆうてき)氏だった、という説に由来します。

医師であり、丸善の創始者として活躍した実業家・早矢仕有的氏は滋養強壮のために家族やお店の人らに煮込み料理を振舞っていました。これが、後の「ハヤシライス」。氏が恵那市と縁のある人だったことから、この料理を題材にしたそうです。

Hayashi rice of Ena-city
えなハヤシ…880円(金よしVer.)

その条件は、材料に「恵那山麓寒天育ち三浦豚」と「寒天」が使われていること。現在は、市内にある金よしさん庵さんエスポワールさん金寿司さんフジクック恵那峡店さん(テイクアウト)、道恵亭さんの6店舗で提供されています。

三浦豚は寒天の原材料となる天草を混ぜた飼料で育てた豚肉。柔らかくてコクと甘みがあり、臭みが少ないのが特徴です。そして、恵那市山岡町の特産品が細寒天であることから、地元食材を使ってなおかつヘルシーにという思いを込めて、寒天もえなハヤシに欠かせない食材となりました。

細寒天

数年前までは地元の古代米を使うことも条件に入っていたため、現在の提供店では赤い古代米のえなハヤシがいただけます。ちなみに、白米以上にルウとの相性が良いとのこと♪

「えなハヤシどお~っと混む」の多彩な活動

えなハヤシをご当地B級グルメとして普及させるため、「えなハヤシライスどお~っと混む」という団体が誕生し、下記のような様々な活動が展開されました。

・FCぎふホームタウンデーやみのじのみのり祭、恵那峡花火大会での出店
・岩邑小・東野小の調理実習でえなハヤシを作り、地域の魅力を伝える授業の実施
・明知鉄道食事列車の開催

そして令和5年9月24日の「みのじのみのり祭り」で、レトルトパックをお披露目。イベント向けに作ったえなハヤシのレシピをもとに改良を重ね、本格的な味に仕上がっています。

「衛生面やスケジュール調整など大変なこともありましたが、無事に完成させることができてほっとしています」
と、「えなハヤシライスどお~っと混む」のメンバーでもある安藤さん。1箱(200g)900円で、「恵那市観光物産館えなてらす」や各提供店舗で販売されています。

レトルトパックを手にする安藤さん(右)と斯波さん(左)
えなハヤシのレトルトパック

これらの地道な活動が功を奏し、近年はえなハヤシを求めて恵那近郊だけでなく、他県からもお客さんが来るように。「観光地で案内をしている時に『オススメのグルメは?』という質問を受けた時も、自信を持って答えられるようになりました」
と、斯波さんも嬉しそうに語ってくれました。

それぞれのお店で様々な味や盛り付け方が楽しめるのもこのグルメの魅力。ちなみに、金よしさんのハヤシライスの特徴は、豚肉や玉ねぎといった具材の食感がしっかりしていること。注文を受けてから具材を炒めて、じっくり煮込んだルウに加えているそうですよ。

恵那市にお出かけの際にはぜひチェックしてくださいね!

金よし

【住所】
恵那市大井町2627-18
【営業時間】
11:00~14:00、17:00~21:00LO
【定休日】
木曜、年末年始
【駐車場】
14台
【HP】
http://j47.jp/kaneyoshi/

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