岐阜の夏の風物詩といえば、長良川で開催される花火大会。コロナ禍で花火大会の中止が相次いだ昨年に発足したのが「あげる会」です。「地元を元気づけたい」「長良川で花火を上げたい」との想いから有志の皆さんで立ち上げた、長良川鵜飼屋花火大会公式サポーターの会です。
この大会の特徴は“参加型”であること。寄付協賛やボランティアによって、誰でもメンバーとして花火大会に参加することができるのです。岐阜を愛する気持ちを、こうやって様々な行動で示すことができる仕組みも素敵ですよね。
今年も昨年同様、早くから実施に向けて始動していた「あげる会」の花火大会。万全の感染症対策をほどこした上で、打ち上げ時間の短縮・日時非公開での開催が決定しました。
しかし、今年の夏も引き続きのコロナ禍。しかも緊急事態宣言が発令されたことで、当初予定されていた時期での実施を断念…。宣言が明けた先日の10月2日(土)の開催となりました。
宣言明け間もなくの実施となったのは、この大会が“あること”にこだわっているから。それは10月15日でシーズンが終了する「ぎふ長良川鵜飼」と共に開催すること、それも鵜飼のクライマックス「総がらみ」と共に打ち上げを開始することです。その理由はまた後ほど。
さて当日は超がつくほどの晴天で、しかも満点の星空。長良橋を渡って長良川プロムナードに向かう際も、鵜舟や観覧船、温泉街の灯りが温かな光を放っていて心も浮き立ちます♪ この光景が見られるだけで、すでに幸せ…♡
プロムナードでスタンバイして待つこと数分。突然川上で花火の打ち上げ音がしたかと思うと、夜空には大輪の花が!
どよめきの中見入っていると、目の前を通り過ぎていったのは煌々と燃えて連なるかがり火――鵜飼の総がらみです!
まさにこれこそが、岐阜の花火大会だから、そしてこの場・この時でしか見られない刹那の光景。花火と鵜飼、金華山に、川面に整然と浮かぶ屋形船の温かな光。この岐阜が誇る景色のコラボレーションは、まるで浮世絵が現実世界に現れたような、幻想的かつ完ぺきな美しさです。上流で花火の打ち上げ音が山に反響する傍ら、下流からは鵜匠さんが鵜を励まして船べりを叩く音も。こうして五感で堪能する絵巻の世界は艶やかな夢のようで、ボーっと立ち尽くしたまま見入ってしまいました。
ちなみに完全に余談ですが、私の周りにはバリエーション豊かな花火の美しさを「鬼滅の刃」の煉獄さんの技に例えている方(大人? 子ども?)もいて、これも時代だなあとしみじみ(笑)
(※私も昔は全部ドラゴンボールの技に見立てていたな、そういえば…)
打ち上がった中には、こんな可愛い猫ちゃん花火や❤型もあって、キッズたちのテンションも爆上がりでしたよ(=^・^=)
クライマックスもドーーーーーーーーーーーーーン! と、ド派手に!!
全て打ち上がった後は「ああ、これで今年の夏も本当の本当に終わりだな…」という一抹の寂しさ(涙)。でも心がスッキリ浄化され、代わりに温かいもので満たされるようなとても幸せな気持ちになりました。
岐阜を愛する人たちが大勢いて、それを形にしようと取り組む方々がいたからこそ見られた一夜限りの光景。かけがえのない時間をありがとうございました。