今年、2023年は「日本のバス120年」のアニバーサリーイヤー!これに機を得て、現在絶賛設置中の「月刊ぷらざ11・12月号」の巻頭特集は『バスの秘密をのぞいてみよう』。誌面作成の折には、今年創立80周年を迎えた岐阜乗合自動車株式会社(通称:岐阜バス)さんの全面協力のもと、あらゆる角度からバスを取材・撮影させていただきました😊
本ブログでは、中でもぷらざスタッフが驚いたマニアックな「バスの秘密」を、4つに絞ってご紹介します。この事実を知ってからバスに乗ると、何だかとっても楽しいですよ。
★今回掲載の「秘密」は、岐阜バスさんへの取材をもとにしています。他社のバスは同じとは限りませんので、ご注意ください。
秘密① バスは軽油で動いてます
バスの動力は、実はガソリンではなく軽油。車体の左側面に給油口があって、そこから定期的に補充しています。給油スポットは、バスの各営業所に併設されている専用スタンド。だから町なかのガソリンスタンドでは路線バスを見かけないんですね。給油のタイミングもきちんと決められていて、運転士さんの1日の予定表に組み込まれているそうです。
秘密② 「行き先表示」は手描きのことも
前と後ろ、乗車口の横に設置されている「行き先表示」。文字をよく見ると、小さな丸(ドット)で構成されていることが分かります。この表示、基本的にはパソコンで打った文字をドット化してくれるソフトで作っているそうですが、ロゴやイラストのような“ちょっと変わった表示”を作る際は担当者さんが1ドットずつ手作業で書いているんだとか。きちんと見え方を確認した後に、各バスにデータが送られています。
秘密③ ご存じですか?ニーリング
最近よく見かけるのが、床が低くて高齢者や子どもでも乗り降りしやすいノンステップバス。これにプラスして、バス停に着いたバスがプシュー!と音をたて、左に傾いてさらに乗降口を低くしてくれていることをご存じですか? このプシュー!が「ニーリング」。運転席のボタン操作により、空気が排出されることで行われるそうです。乗る人をやさしく迎え、降りる人をそっと見送る…そんな気遣いを感じる素敵な機能ですよね。
また、車いす・ベビーカー対応の車両には、床の取っ手を引くだけで出し入れできるスロープや乗車後にそれらを固定するためのベルト・金具なども搭載されていました。誰でも利用しやすいように…という配慮に胸キュン。
秘密④ バス停アナウンスの声は機械音声
「次は〇〇でございます、お降りの方は停車ボタンをお押しください。△△へお越しの方はここでお降りが便利です」といったおなじみのバス停アナウンス。実は機械による自動音声なんです。ただし一言で自動音声といっても、岐阜バスの場合は担当者さんが1つ1つを確認し、不自然さを感じる部分はスピードやアクセントを手作業で微調整したもの。だからまるで人間が話しているようなナチュラルさなんですね。
岐阜バスでは、この①バス停の音声案内と②モニターへの運賃表示の2つをセットにして、自動で放送・表示していってくれる「次世代運行支援ユニット」を全車両に導入(2021年・全国のバス会社で初)。ただでさえ仕事の多い運転士さんの負担を減らすことに成功しています。
ちなみに運転士さんのアナウンスは、もちろん機械ではなくその時々にマイクを通して発せられる生の声。アナウンスについて細かい社内規定はないため、運転士さんごとに話す量や内容が変わってくるそうです。
余談ですが、誰もが一度は感じたことのある「両替はいつすれば良いのか」問題。ケースバイケースすぎて「停車中にお願いします」としか答えられないそうです😅ただ両替機で崩せるのは千円札だけなので、大きなお札は避けるのがベター、というのは言えそう。運転士さんによっては「この信号は長いので、両替するなら今がオススメ」とアナウンスしてくれることもあるそうですよ。
結論・バスって楽しい~!
一見分からなくても、着実に進化しているバスのアレコレ。先述したように今年は日本のバス事業が始まって120年のアニバーサリーイヤーですが、その間すごく多くの人が「もっとこうしたら快適度が増すんじゃない?」「こっちのほうが安全で便利じゃない?」と頑張って進化させてくれたんだろうな~と思います。しみじみ有難いですね。
岐阜市では11月末から、自動運転バスの5年間運行も決定。次号ぷらざではその体験記も掲載予定です。見て・知って・乗って楽しい各種バス。ぜひあなたもご乗車ください♪
【取材協力】岐阜乗合自動車株式会社(岐阜バス)